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トップページ > 診療ガイド > 疾患別アプローチ(感染症):トキソプラズマ

 

   
 
疾患別アプローチ(感染症)
 
   
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トキソプラズマ
 

<トキソプラズマとは>

コクシジウムに近縁の胞子虫(原虫の一種) 人畜共通の感染症である。 ほとんどのほ乳類が感染しうるがネコ科の動物の体内でのみ有性生殖をし、オーシストと呼ばれる感染体が糞便中に排泄される。 妊娠初期の女性が感染を受けると流・死産、産子の発育障害などの原因となりうる。 ただしネコの生涯において、オーシスト排泄の期間は非常に短く感染の危険性は非常に低い。

<感染経路>

・ネコ科動物の糞便(1日以上放置されたもの)
 *新しい糞便はオーシストが成熟しておらず感染力を持たない。
・感染した豚、羊などの生肉に含まれるシスト(虫体の塊)、タキゾイト

ネコへの感染経路
・ネコの糞便(1日以上経過したもの)
・感染したネズミなどの小動物中のシスト、タキゾイト ・感染した豚肉などの生肉

<症状>

○ 急性トキソプラズマ感染症 ・・・ 主に子猫に見られる。

・抗生物質に反応しない持続する発熱
・急性肝炎
・腸管の通過障害(腸管膜リンパ節の腫大による)
・急性下痢(しばしば粘血便)
・筋炎、および心筋炎

○ 慢性トキソプラズマ感染症・・・主に高齢の猫、もしくは免疫力の低下した猫に見られる

・慢性下痢
・白血球減少症
・貧血
・網膜
・脈絡膜炎、虹彩炎
・脳脊髄炎 など。
*ネコでは全身に感染が及ぶ(他の動物の場合と同様の感染の仕方・・全身型感染) と同時に腸管で有性生殖が営まれオーシストが作られる(腸管型感染)。または、全身には感染が及ばず腸管型感染のみを経験する場合もあり得る。

<検査>

IgGのペア血清(1回測定し、2週間後にもう一度測定して両者の結果を用いる判定法)を用いる。
*抗体は、全身型の感染が進行する過程で上昇する。i.e.腸管型のみの場合は抗体陰性である。
*全身感染からオーシスト排泄までの期間(プレパレントピリオド)は、ネコがどの感染体で感染したかで異なる。

- プレパレントピリオド -
オーシスト感染 → 全身型+腸管型発育 ・・20日以上
シスト感染 → 大方は腸管型感染に移行、一部全身型感染へ ・・7日以内
タキゾイト感染 → 大方は全身へ移行し、シスト形成。
一部腸管型発育へ・・10日以上

<ペア血清検査の解釈と人への感染の危険性>

陰性 → 陰性
いまのところ感染はないかもしくは腸管型の感染のみを経験している。 感染経路が絶たれていれば心配いらないが、抗体がないということはこれから感染する危険性は あり得るということである。感染させないよう注意する必要がある。

陰性 → 陽性
現在全身型の感染を経験している。同時に腸管型感染も起こしている可能性がある。 オーシストを排泄しているもしくは近いうちに排泄する可能性がある。便は厳重に新しいうちに処分すること。 オーシスト排泄は長くても2週間程度なので数ヶ月経過すれば再びオーシストを排泄する危険性は少ない。

弱陽性 → 強陽性
現在全身型の感染を経験している。同時に腸管型感染も起こしている可能性がある。 オーシストを排泄しているもしくは近いうちに排泄する可能性がある。便は厳重に新しいうちに処分すること。 オーシスト排泄は長くても2週間程度なので数ヶ月経過すれば再びオーシストを排泄する危険性は少ない。

強陽性 → 弱陽性
病勢は終息しつつある。現在オーシストを排泄中、もしくは排泄し終わっている。 当分の間便の始末には注意する。(触れないようにし、かつ新しいうちに処分する) オーシスト排泄は長くても 2週間程度なので数ヶ月経過すれば再びオーシストを排泄する危険性は少ない。

弱陽性 → 弱陽性
かなり過去の感染。 オーシストは以前に排泄し終わっている可能性が高い。


 

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