富士フイルム モノリス株式会社
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測定法・結果値

   
「乳び、溶血」の解釈
 
 
「乳び、溶血」は、いずれも血清の肉眼的性状変化を示す所見です。「乳び」はカイロミクロンおよびVLDLの増加(乳白色になります)。「溶血」はヘモグロビンその他の赤血球内成分の混入(赤色になります)を意味します。
い ずれも、比色測定に原理をおく血清生化学検査では測定系に対して影響を与える因子として重要で、干渉物質として直接・間接に反応を妨害して異常反応の原因 となることがあります。そのため測定上の干渉を除外するように自動分析器で2波長比色測定していますが、その状態の強度によっては、それでも影響がありま す。そこで、これらの血清所見を、肉眼観察によりその程度を報告書に記載して上記のような現象のwarning messageとしています。

それでは、何故このような状況になるのでしょう。勿論、病的な場合もありますが、今回手技的な要因を上げてみます。「溶血」は、物理的に赤血球が壊れる状況を示します。
1. 採血時: 採血にムリな方法(針が細い、強く引くなど)
2. 分離容器に入れる時:真空採血菅に針を刺して入れない。(キャップを外してゆっくりいれる。)
3. 凝固が始まったら、遠心する。(長期保存をしない。)
4. また、溶血は全血で長時間搬送を行えば不可避です。必ず血清分離剤入り試験管を用い、搬送前に遠心することです。これは全血保存による他成分の変化を防止する上でも有効です。

「乳ビ」は、カイロミクロンとVLDLという二種類のリポ蛋白が関与するとされています。
1. このうちカイロミクロンは食事由来のリポ蛋白で食後に出現します。
2. また、VLDLは特殊な高脂血病の場合に出現します。

乳びの原因の殆どがカイロミクロンとされており、食後徐々に上昇し、2~3時間でピークとなり、以後低下します。
そこで、乳びの可能性を低くするための注意事項としては、採血時はなるべく空腹時にするか、または、食後すぐに採血するようにします。 但し、常に乳び血である場合は病気の可能性があります。
 
   
  基準値(正常値)の捉え方
 
健康=正常値、病気=異常値と考えていないでしょうか?
血液検査など、病気のあるなしを判断するために行うことが多いのですが、どこで線を引くかは、実はかなり難しいのです。 個々の正常値と集団の正常値があり個々の正常値がより有用ですが、実際には入手が困難であるので、一般には集団の正常値が用いられています。

<正常値の決め方>

          正常値を決める場合、多数の健康の集団から採取した多数の検査材料について測定する
          のが通例です。そして、健康とは一般には既往歴、内科的診療,簡単な臨床検査で異常
          値を示さないものを選んで健康集団としています。

          そこで健康集団から得られた値を統計学的に処理し、平均値(m)と標準偏差(SD,
          δ)から次の範囲を習慣的に正常値と設定します。

    正常値=平均値 ±2SD

          すなわち正常値ではある健康集団の95.4%を含む範囲で、したがって健康と思われたも
          のの値の4.6%はこの正常値の範囲から外れることになり、逆に異常な人でも正常範囲
          に重なっているものもあるわけです。

<正常値の変動>

          この正常値は、いくつかの要因によって変動します。個人間変動として、性差 また
          幼犬と成犬、正常雌と妊娠雌でも差がありますので、それぞれの項目で注意が必要
          です。

<個人の正常値>

          生理的変動を起こす要因を除いても、なお個人差があります。
          (1) 個人差が大きいが、各個人の正常範囲の幅は、集団の正常値に比べれぱはるかに
          小さいもの。例えぱALP、GOT、GPT、AMY、CHE,CHOなど

          (2)個人差は小さく、個人の変動の幅が集団の正常範囲と近接しているもの。例えば
          ナトリウム、カリウム、クロール、無機リン、総蛋白量,尿素,尿酸など

          (3)これらの中問を示すもの

          このように正常値という言い方は誤解を招きやすいので、現在ではそれに代わって、
          「基準値」「参考値」という言い方がされるようになりました。 正常値とは、正常値
          を絶対視しない、将来は個人の正常値が理想的と捉えてください。
   
各測定法の説明
 
RIA(Radio immunoassay)
 
         放射性同位元素で標識した反応物質を用い、抗原抗体反応から抗原あるいは抗体の濃度を
         測定する方法である。抗原抗体反応において一定量の標識抗原あるいは抗体を加えると 標
         識抗原・抗体複合体ができる。これに同一抗原性または抗体性をもつ未知量の物質 を添加
         することにより、標識抗原・抗体複合体(bound)と非結合標識物(free)ができる。
         これらをなんらか(硫安塩析法・2抗体法・DCC法・PEG法・固相法)の方法で分離し放
         射能を測定する。
 
EIA(enzyme immunoassay)
 
         抗原または抗体に酵素(西洋ワサビベルオキシダーゼ・βガラクトシダーゼ・ アルカリフ
         ォスファターゼ)を結合させ、その酵素活性をマーカーとして抗原抗体 反応の程度を知
         り、これらから目的物質の抗原あるいは抗体量を求める。固相化抗体を用いた場合は 
         ELISA(enzyme-linked immunosorbentassay)と呼ばれる。
 
 CLEIA(chemiluminescent enzyme immunoassay)
 
         原理はEIAと同様であるが、ALPの活性を化学発光にて検出する方法である。
         酵素による増幅効果と反応生成物を化学発光にて検出する高感度な方法である。
 
 比色法
 
         測定成分を着色物質に変化させ、その色調を同様に処理した既知濃度の色調と 比較し
         て目的物質を吸光光度から測定するものである。これを利用して比較的 分子量の小
         さい物質を測定するものである。
 
 UV法
 
         紫外部法(UV法)は比色法と同一原理であるが、補酵素の還元型NADH・NADPH
         が340nmに吸収をもつことを利用し紫外部領域において特異的に測定するものである。
 
 酵素法
 
         比色法と同一原理であるが、反応生成物を特定の酵素を用いて特異的に測定するものである。
 
 電極法
 
         イオン選択電極を用いる電気化学的分析法である。選択されたイオンの量は対数に比例し
         電位を発生する。この電位を測定しイオン濃度を求めるものである。
 
 原子吸光分光光度法
 
         炎やファーネスに分画測定法の一種で、両性電解質である蛋白の溶液に電場を与えると、
         それぞれの荷電とは異なる電極に向かって移動する。この移動した蛋白を検査項目に応
         じて、染色または発色させたものである。項目によりデンシトメトリーを用いて分画比
         を求める。免疫電気泳動では移動させた蛋白に対し、抗体を反応させ最適比のところで
         現れた沈降線を確認するものである。
 
 HA(hemagglutination)
 
         赤血球表面と抗原と抗体による抗原抗体反応により、赤血球の凝集を確認するものである。
 
 HI(hemagglutination inhibitiontest)
 
         赤血球凝集素に抗体が付着すると赤血球凝集が抑制されることを利用したもので、
         抗原抗体複合体に赤血球をくわえ凝集抑制の有無を確認するものである。
 
 CF(complement fixationtest)
 
         補体が抗原抗体複合体に結合することを利用した測定方法である。感作血球 (動物の赤
         血球に溶血素を加えたもの)に補体を加えると溶血を起こすが、 抗原抗体複合物が存
         在するとそれに補体が結合し溶血が阻止される。それを確認するものである。
 
 NT(neutralization test)
 
         ウイルス粒子に抗体が付着すると、そのウイルス粒子の感染性が失われる (中和される)
         ことを利用した測定法である。抗体とウイルスによる抗原抗体 複合体を培養細胞に接種
         し、細胞変性効果(CPE)を確認する。ウイルスの活性を50%阻止するところを中和抗
         体価とする。
 
 酵素抗体法
 
         組織切片上の抗原に対して抗体を反応させた後、酵素を結合させ、酵素組織化学 反応に
         より可視化させたものである。 間接法は抗原に対して一次抗体を反応させた後、酵素標
         識二次抗体を反応させて発色を行う。
 
 ECLIA(electro chemiluminescence immunoassay)
 
         抗体を結合させた磁気ビーズに抗原を反応させ、抗原抗体複合体を形成させる。
         さらにRU錯体を標識した抗体を結合させて電気化学反応により発光した錯体量を
         測定するものである。
 
 凝固時間法
 
         被検血漿に測定対象因子の欠乏血漿を加え、さらにトロンボプラスチン・アクチン・
         塩化カルシウムを加えた後凝固時間を測定するものである。
 
 APTT凝固時間法
 
         被検血漿にリン脂質を減少させたAPTT試薬を加え、凝固時間を測定するものである。
 
<単位換算>
項目名
通常単位  SI単位  通常→SI  SI→単位 
 アルブミン
 g/dl
 g/L  10.0  0.10
 胆汁酸
 mg/L
 μmol/L  2.55  0.392
 ビリルビン  mg/dl  μmol/L  17.10  0.058
 カルシウム  mg/dl  mmol/L  0.25  4.00
 コレステロール  mg/dl  mmol/L  0.026  38.7
 塩素  mEq/L  mmol/L  1.00  1.00
 クレアチニン  mg/dl  μmol/L  88.40  0.011
 グルコース  mg/dl  mmol/L  0.056 18.0 
 無機リン  mg/dl  nmol/L  0.323  3.10
 カリウム  mEq/L  mmol/L  1.00  1.00
 総蛋白  g/dl  g/L  10.0  0.10
 ナトリウム  mEq/L  mmol/L  1.00  1.00
 尿素窒素  mg/dl  mmol/L  0.357  2.8
 フィブリノーゲン  mg/dl  g/L  0.01  100.0
 鉄  μg/dl  μmol/L  0.179  5.58
 マグネシウム  mg/dl  mmol/L  0.41  2.44
 トリグリセライド  mg/dl  μmol/L  0.011  90.9
 尿酸  mg/dl  mmol/L  0.059  16.9
 亜鉛  μg/dl  μmol/L  0.153  6.54
 項目名  通常単位 SI単位  通常→SI   SI→通常
 ACTH  pg/ml  pmol/L  0.22  4.51
 T4  μg/dl  nmol/L  12.87  0.078
 FT4  ng/dl  pmol/L  12.87  0.078
 T3  μg/dl  nmol/L  0.015  64.90
 コルチゾール  μg/dl  nmol/L  27.59  0.036
 エストラジオール  pg/ml  pmol/L  3.67  0.273
 成長ホルモン  ng/ml  μg/L  1.00  1.00
 インスリン  μU/ml  pmol/L  7.18  0.139
 プロゲステロン  ng/ml  nmol/L  3.18  0.315
 テストストロン  ng/ml  nmol/L  3.47  0.288
 17-ヒドロキシプロゲステロン  μg/dl  nmol/L  3.03  0.33
 アルドステロン  ng/dl  pmol/L  27.7  0.036
 TSH  ng/ml  mIU/L  3.846  
 ※表に示された係数をかけることにより単位換算できます。
   
  ウイルス測定法
 
ウイルス測定法
中和反応(NT: Neutralization test)


    感染症の血清診断の基本は、急性期と回復期(発症ほぼ2週間後)の患者ペア血清での抗体価の同
    時測定により、抗体価の有意な上昇(通常4倍以上)をもって行われます。

    NT法は、ウイルス粒子に抗体が付着すると、そのウイルス粒子の感染性が失われることを利用し
    た抗体の測定法です。既知抗体を用いて分離ウイルスの同定にも利用され、最も特異性が高く、感
    度もよい血清学的検査法である。段階希釈した披検血清とウイルスを混合し抗原抗体反応を行わせ
    た後、マイクロプレート上の培養細胞に接種し培養を行います。

    一定期間観察を行い細胞変性効果(CPE)の有無をみます。CPEがなければウイルスの増殖が抑制さ
    れたことになり中和抗体陽性と判定されます。またプラック抑制をみる方法もあります。
 
    ■ウイルス抗体の検査法
 
 検査方法  特 徴
 補体結合反応
(CF)注1
 感染後の抗体価はHI法やNT法よりやや遅れて上昇し、比較的短期間に低下または消失する。 ウイルス群特異的に検出されるため、スクリーニング検査として有用であるが、一般に感度が低く血清型の鑑別はできない。
 赤血球凝集反応
(HI)
 特異性が高く、ウイルス株特異抗体を検出することができる。 感染後早期から抗体価が速やかに上昇し、長期間持続するため、患者の免疫状態の把握や疫学的調査に利用される。
 中和反応
(NT)注2
 ウイルスの感受性細胞への感染,増殖能を阻害する感染防御抗体(中和抗体)を検出する。 感染後1週間ぐらいからほぼHI抗体価と並行して上昇し、長期間持続する。 感度および型特異性が高く、ウイルス株の同定に使用される。
 蛍光抗体法
(FA)
 検出感度が高く、免疫グロブリン別(IgM,IgA,IgG)に測定できる。 型特異性があり、ウイルス構成ペプチドに対する特異抗体の検出が可能である。
 酵素免疫測定法
(EIA,ELISA)
 ウイルス特異抗体を免疫グロブリン別(IgM,IgA,IgG)に測定できる。 他法に比べて感度が高く微量の抗体を検出することができ、しかも定量値を得ることができる。
 
        IgM : 早期に出現し、短期間で消失する。
            IgA : IgMよりやや遅れて出現し、IgMに比べ長期間持続する。
            IgG : IgMより遅れて出現し、長期間持続する。
    注1     CF:抗補体作用により判定できない場合があります。

    注2     NT:細菌繁殖などにより細胞が汚染され、測定不能になる場合があります。

<ペア血清による診断>


急性期(発病後早期)と回復期(発病後2~3週間)にそれぞれ血液を採取し、ペア血清として同時に抗体価を測定して、特異抗体価の有意な上昇があるかどうかを確認します。 一般に、ペア血清の抗体価が4倍以上上昇している場合に有意と判断し、そのウイルスによる感染があったものと診断します。

<CDV、CPV測定について>
 
 測定法 :         
 蛍光抗体法        
報告方式:              
 CDV IgM,IgG
 
 512倍未満
 
 512倍
 
 1024倍
 
 1024倍以上
 
   CPV IgM,IgG   256倍未満  256倍  512倍  512倍以上
希釈倍率:
 
CDV(512倍と1024倍),CPV(256倍と512倍)にて検査し、蛍光発色強度にて測定します。蛍光抗体法(高感度)のため希釈倍率が高くなっております。
 

CDV 中和法との比較

中和法
 
 
 
 
 
蛍光抗体法
30倍
256倍
60倍
512倍
120倍
1024倍
240倍
2048倍
 

CPV HI法との比較

HI法
 
 
 
 
 
蛍光抗体法
20倍
128倍
40倍
256倍
80倍
512倍
160倍
1024倍
   
FT4の測定について
 
FT4の測定は、血清を透析膜の中に入れTBPを含まない外液と平衡状態にし、外液中のT4(FT4)濃度を測定する平衡透析法が、理想に近い測定法とされております。しかし、煩雑な作業を必要としやや正確さに欠けるなどの理由から、ルーチンの測定として利用しにくい検査であります。にもかかわらず、動物医療界では特に海外で、平衡透析法をゴールドスタンダードとする意見が根強くありました。

ところが、海外では昨年(2010年)暮れから動物用試薬がいち早く解禁され、「報告までの日数の短期化」、「検体量の微量化」、「低価格化」などを理由に、CLEIA法によるイヌ・ネコのFT4検査が広く受け入れられるようになってまいりました。弊社でヒト試薬と動物用試薬の相関を調べましたところ、イヌ(相関係数=0.941 n=70)、ネコ(相関係数=0.964 n=26)となりました。このように2つの試薬間で高い相関が得られましたが、「動物の検査には、動物の試薬を」という先生方のお声にお答えし、「より納得していただける検査」を先生方に提供するために、動物用試薬を用いたCLEIA法によるイヌ・ネコのFT4検査を開始することに致しました。
   
  負荷試験の方法
 
-ACTH刺激試験-

          <診療ガイド> 内分泌疾患 をご覧ください。

- 低用量デキサメサゾン抑制試験 -


          <診療ガイド> 内分泌疾患 をご覧ください。
   
ELISAの測定原理
 
  <ELISAの測定原理>
 
 
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